皆さんは家族や友人などのお見舞いに行く際、何を意識してその日着ていく服をチョイスしているだろうか。
お見舞いに行く際、男性が迷いやすいテーマとして「どんな服装で行けばいいのか」「スーツで行っても良いのか」などといった服装のマナーの問題。
結論から申し上げると個人的には、迷ったらTPOに合ったスーツで行く。が正解である。
私の中で、着ていく服に気を遣う難しいシチュエーショントップ3に入るのがお見舞いだ。
なぜなら患者さんの環境や状態などは毎回違い、一つ間違えると普段の日常よりも、より不快感を与えやすいシチュエーションであるからだ。
しかし、大前提として病院という場所は、まず一番に患者さんやご家族の心情に配慮しなければならず、普段の日常よりもさらにマナーを意識した服装が求められるのだ。
本記事では、お見舞いにふさわしいスーツの色、柄、小物の選び方から、病院での振る舞い、関係性別の注意点まで、丁寧に解説する。
この記事を読めば、失礼のない服装でお見舞いに行くことができ、相手に安心感と誠意を伝えられるようになるだろう。
目次
まず結論として、スーツでお見舞いに行くことは、たくさんの選択肢がある中でも極めてフォーマルな服装であり、礼節を重んじている素晴らしい選択だ。
実際、私は日常のほとんどのシチュエーションで「迷ったらスーツ」を実践し、指摘されたことはもちろん、間違えた!失敗した!と感じた経験も一度もない。
ただし注意していただきたいのは、そんな万能なスーツであっても「シーンに合ったスーツを選べば」間違えない。という前提条件が付く。
スーツの選び方によっては不適切に見えマナー違反になることもあるため注意が必要なのだ。
特に気をつけたいのは「ブラックスーツ」である。
ブラックスーツは冠婚葬祭にも、礼節が重んじられるシーンにも非常に使い勝手が良いスーツである。
が、黒無地のスーツは、黒=喪服のイメージが強い場合や患者様の心理的な影響によっては喪服を連想させてしまう恐れがあるため、お見舞いには不向きだ。
せっかくお見舞いに行ったにもかかわらず、喪服を連想させてしまうようなことがあっては本末転倒である。
また、派手な柄や光沢の強いスーツは極力避けるようにし、暗くなり過ぎない明るめの色や派手過ぎないデザインのスーツをチョイスし、かつ清潔感のある装いを意識するだけで大きな失敗を回避できることが多いのでぜひ意識してほしい。
お見舞いにふさわしいスーツの条件は明るさ・清潔感・シンプルの3つ。
具体的には鉄板のネイビーやグレーのスーツがおすすめだ。
理由としてネイビーは、清潔感と誠実さを兼ね備え、相手への敬意を表現できるお見舞いに適した色と言える。
グレーについても、ネイビーと並び様々なシーンにおいてのスタンダードカラーであり、寛容さや落ち着きを表現できるカラーになっている。
柄は絶対的に無地が理想だが、持ち合わせていない場合はシャドーストライプなどの控えめな柄であれば問題ないだろう。
デザインについてもシンプルであればあるほど良く、例えばシングルの2ボタンなどのベーシックなスーツが無難だ。
以下のスーツは避けるべきだ。
・黒無地(喪服を連想させる為)
・明るすぎる色(全身ライトブルーや白など)
・派手な柄(太いストライプやチェック柄)
・光沢が強よすぎるスーツ(お見舞いの場ではギラギラな印象になることがある為、不適切)
病院や療養中の自宅などは静かであり落ち着いた空間である。
患者さんやご家族の心情に寄り添うためにも、派手過ぎないシンプルなスーツを選ぶことが大切だ。
お見舞いのシーンではスーツだけでなく、シャツやネクタイ、靴にも気を配る必要がある。
・シャツ
シャツについては白無地が一番のおすすめだ。
薄いブルーなどもいいとは思うが、シャツは本来の由来的にはスーツの下に着る下着なのだ。
批判を恐れずに言うと、最近は数多くのカラーやデザインが様々なブランドで販売されているシャツだが、本来の着方として、色もデザインもなるべくシンプルに。が最重要だと私は思っている。
そしてシャツで個性を出そうとすることも私はおすすめしない。
クラシックなスタイルでは、なるべくシャツを見せないようにする努力をしていたのだから。
そこまで現代において求めるのは難しいにしろ、基本はどんなスーツやシャツを着ていても清潔感がなければならない。
シワや黄ばみがあるシャツはもってのほかだ。
・ネクタイ
ネクタイについてはスーツの色に合わせて、無地のネイビーやグレーを選択されることをおすすめする。
ネクタイだけが悪目立つことは避けるべきだ。
なお柄物については控えめな小紋柄などが良いだろう。
原色の赤や黄色などの派手過ぎる色のネクタイは避け、落ち着いた色を選ぶように意識しよう。
・革靴
あまり派手なデザインを避け、フォーマルにおいて基本的なストレートチップや黒のプレーントウがおすすめ。
基本に忠実であれば間違いをしなくて済む。
なお革靴で一番重要なことは磨かれた綺麗な靴であること。
いくら急にお見舞いに行くことが決まったとしても現場からそのまま泥だらけの靴では行かないようにしよう。
汚れた靴は印象を大きく損なうのだ。
足元は意外と気が緩みやすい部分ではあるが、重要箇所と常に頭に入れておこう。
・靴下(ソックス)
靴下は見える面積自体は少ないものの、靴下を誤ると全体がひどい仕上がりになるので要注意。
色については着ているスーツや靴の色を拾うことが基本であり、間違いない。
ここでは黒やネイビー、グレーといった色がおすすめだ。
なお、スーツにくるぶしソックスやスポーツソックスを履いている方がたまにいらっしゃるが、それはやめておこう。
靴下は座ったときに肌が見えない長さを選ぶことがマナーであるからだ。
ふくらはぎ全体をカバーできるロングホーズを選択しよう。
現代において一般的にはクールビズの場面では許容されているが、基本的にスーツを着ていくのであればネクタイは着用する。それが私の考えだ。
目上の方や取引先のお客様に限らず、親しい友人や家族の場合もお見舞いというシーンでは皆同じ土俵。
どんな立場の方だろうと等しく敬意を払うことが大事。
親しい友人や家族の場合は、ネクタイを外しても問題ないという意見もあるようだが、それであれば初めからスーツでなく他の服装をチョイスしてほしい。
・バッグ
大きすぎるバッグは病室で邪魔になることがあるので、カジュアル過ぎない適度な大きさのビジネスバッグやトートバックがおすすめだ。
なおここでも清潔感が重要で、汚れが目立ったりすることのないように心がけよう。
・コート、マフラー
病院に入る前に脱ぎ、腕にかけて持つ。
そして病室に入る前に軽く整え、静電気などでホコリがついていないかもう一度確認しよう。
コートやマフラーを着用したまま病室に入らないように気を付けよう。
お見舞いに行く際の服装は、普段以上に「相手への配慮」が求められる場面。
スーツは本来、礼節を重んじたフォーマルな装いであり、正しく選べば最も安心感を与えられる服装だ。
しかし、シーンに合わない色や柄、組み合わせをチョイスしてしまうと、せっかくお見舞いに行ったにもかかわらず相手を不快な気持ちにさせてしまう可能性もある。
お見舞いの服装に迷ったときは、
・ネイビーまたはグレーのベーシックなシンプルスーツ
・白無地のシャツ
・落ち着いた色のネクタイ
・黒の革靴とロングホーズ靴下
・清潔感のある持ち物
この基本を押さえておけば、まず間違えることはないだろう。
お見舞いは、相手の体調や気持ちに寄り添うための大切な時間。
着ていく服装を相手のためを思う気持ちの「表現手段」だと考えると、自然と選ぶべきスタイルが見えてくるだろう。
明るく、清潔で、誠実な装い。
それこそが、お見舞いにおけるスーツマナーの基本なのだ。