日々のビジネスシーンや会食、あるいは現場への移動の最中、不意のアクシデントによって大切なスーツやワイシャツ、スラックスが汚れてしまうことは、どれほど気を付けていても避けることができない現実である。
「お気に入りの一着だからこそ、汚れたときはショックが大きい」「出先での突発的なシミや泥はねに、どう対処すれば生地を傷めずに済むのだろうか」
そうした戸惑いや悩みを抱くのは、それだけ自らの装いを大切にし、対峙する相手へのマナーを重んじている素晴らしい証拠である。
大切なのは、予期せぬトラブルが起きたその瞬間に、慌てず冷静に正しい対処できるかどうかだ。
基本原則としては「シミの種類を瞬時に見極め、汚れの性質にあった方法ですぐに対処すること」である。
この記事では、シミを3大性質に分類し、それぞれの性質に合わせた正しい処置の規律から、多忙な移動に備え、市販の「モバイルシミ落としキット」を常備し、自己処理の限界を超えた場合は速やかにプロへ委託する選定基準までを徹底解説する。
目次

会食の席や移動の最中、不測の事態によって大切な衣服にシミがついてしまうことは、ビジネスを動かしている以上、誰にでも起こり得る現実だ。
しかし、シミが付着した瞬間にパニックになり、ハンカチやおしぼりを濡らしてゴシゴシと横に擦る行為は決しておすすめできない。
それは一歩間違えると汚れを繊維の奥深くへと押し広げ、修復不能になりかねないからである。
我々リーダーがまず最初に行うべきは、そのシミが何によって構成されているかという「敵の性質」を見極めること。
衣服のシミは、大きく分けて以下の3つに分類される。
1. 水溶性のシミ:醤油、コーヒー、ジュース、酒、など
2. 油溶性のシミ:口紅、チョコレート、ボールペン(油性)、カレーなど
3. 不溶性のシミ:泥、土、墨、砂、など
この3つの性質を頭に入れたうえで、それぞれの敵に合わせた「正しい手入れの規律(メンテナンス法)」で対処していくことが重要だ。

次に、3つの性質を理解したうえで、それぞれに合わせた具体的な応急処置の方法紹介する。
1. 水溶性のシミに対する処置
醤油、コーヒー、ジュース、酒などの水溶性のシミに対しては、スピードが命となる。
汚れの裏側に布などをあてて、別の布に十分な水を含ませ、シミの表面からトントンと上から優しく叩く。
出先での応急処置だけで落ちきらない場合は、衣類用の漂白剤を使用し、繊維の奥に残ったシミを取り除こう。
2. 油溶性のシミに対する処置
口紅、チョコレート、ボールペン、カレーなどの油溶性のシミは、水を含ませても脂分に弾かれて落ちにくい。
必要となるのは油分を浮かせる力だ。
洗濯用洗剤や漂白剤を使用し、生地を傷めないよう細心の注意を払いながらシミに直接馴染ませ、布で上からトントンと叩き出す。
3. 不溶性のシミに対する処置
最後に、泥、土などの不溶性のシミに対しては、他のシミと同じ感覚で「濡れタオルで拭く」という行為は、やってはならない対処法である。
濡れている状態で触ると、生地の繊維や織り目の奥深くへと押し込まれ、落ちにくくなるのだ。
そのため、不溶性のシミに対しては完全に乾燥するまで静かに待ち、その後まずは生地が傷まない程度に、表面の固まった泥を物理的に剥がす。
そして、繊維の目に沿って毛先の柔らかい歯ブラシなどで上から優しく叩き、隙間に挟まった土などを「掻き出す」のが良いだろう。

また、雨の日の外回りや、舗装されていない現場の移動中パンツの裾やふくらはぎの裏に点々と飛び散る「泥はね」は、避けて通れないことである。
これも不溶性の規律に従い、濡れている間は触ってはならない。
オフィスなどに戻り、完全に乾燥した状態から以下の2ステップを踏んでいこう。
■ステップ①:乾いた状態での叩き出し
泥はねが完全に乾いた状態になったのを確認したら、固く絞った綺麗なタオルなどを用意する。
そのタオルを使い、上からトントンと叩くようにして、繊維の表面に付着した乾いた泥を叩き出す。
■ステップ②:霧吹きによる「境界線のぼかし技術」
泥を叩き出した後、シミが残っている場合には、シミ部分とその周辺の生地に向けて霧吹きをする。
そして、シミの輪郭をぼかしながら最後のシミを消していこう。

これら3つの性質に応じた応急処置を、出先でより迅速かつ確実に執行するための補助として、近年は様々な企業から持ち運び用の「モバイルシミ落としキット」が販売されている。
多忙な日々の移動のなかで不意の事態に備えるため、ビジネスバッグの中にこのようなキットを一つ忍ばせておくのも、時間と労力を引き算するための極めて賢明な選択である。
■自分で解決することに固執せず、速やかにプロへ外注せよ
ただし、出先から自宅やホテルに戻り、これらの応急処置を尽くした甲斐もなく、どうしてもシミが綺麗に落ちきっていなかった際には、それ以上自分の手で無理に擦ったり弄ったりするのは潔く辞めるべきだ。
そこから先は、自分の手で解決しようと固執せず、信頼できる確かな技術を持った「プロのクリーニング店」へ早めに持ち込み、委託するのが最も確実で合理的な判断である。
シミの処理は、時間が経てば経つほど繊維への定着が進み、落とすことが難しくなるため、自分でできる限界を冷徹に見極め、速やかにプロの専門技術へとパス(外注)を出すことも大切なのだ。
ここでスーツ水洗いへのこだわりを持つ、全国対応のネット型宅配クリーニング店の紹介をする。
【プラスキューブ】
元アパレルデザイナーの店主が 『きれい・安心・ 安全は当たり前。そこにアパレルのデザイナーとして経験した「デザイン性」とお客様への「真心」をプラスしたい』 という思いを込めて作った宅配クリーニング店。
特徴として、
■立体的な仕上げが可能。
■「他の人と一緒に洗われたくない!」との声にお答えして、お客様単位洗い 。
■静止乾燥 ドラム式ではなく、静止乾燥機で乾燥するので、型崩れせずお洋服が傷みにくい。
■全国対応・送料無料 ネット型宅配クリーニングなので、全国で24時間注文が可能。
などが挙げられる。
ぜひクリーニング店選びの参考にしてほしい。
どれほど格式の高いスーツを身に纏っていようとも、胸元に一滴のシミがついていたり、パンツの裾に泥はねがこびりついていたのだとしたら、その瞬間にあなたの威厳と貫禄は音を立てて崩壊する。
外見の弛みはそのまま仕事の詰めの甘さとして見透かされ、足元を見られる原因になるのだ。
基本原則はただ一つ。
「シミがついたり、雨の日に泥はねを受けたりした場合は、その場で汚れの性質を判断し臨機応変に対処すること」。
水溶性・油溶性・不溶性という3つの性質を冷徹に見極め、時にはモバイルキット等の道具を頼りながら迅速に応急処置を執行する。
そして、自分の手におえないと判断したならば、それ以上は自分では対処せず、速やかにプロの技術(クリーニング)へとパスを出すことが重要だ。